ブックメニュー★「本」日の献立

今日はどんな本をいただきましょうか?

【新型コロナ「正しく恐れる」Ⅱ 問題の本質は何か】西村秀一 井上亮

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西村先生は別の著書でも言っていますが、世間で行われているコロナ”対策”は間違っている、と指摘します。

わたしはコロナ禍でずっとほったらかしにされてきた問題が噴出している、と思っているので【問題の本質は何か】のタイトルは大いに興味を惹かれました。

先生はそれを「リスクコミュニケーション」においています。

簡単に言うと情報伝達の仕方と内容です。これは対策が間違っているにつながります。

私が初めに予想したのとちょっと違った内容でしたが、これも大事なことなので読んでみました。

「正しく恐れる」とは「実体を直視せよ」ということです。もちろんウイルスのことですが、これって難しいですよね。

なのでコミュニケーションの大切さにつながっていきます。伝える側として、国・自治体や関係機関とメディアがその役割を担いますが、ブログではそれについて西村先生の考えを取り上げてみます。

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【ワクチン不要論】内海 聡

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本書はワクチンとは?から医学とはなにか、へいたる問題が語られています。

内海先生、いつもながら”過激”です。それだから眉唾物だとひいて行ってしまう人も多いでしょう。私はそれでも敢えて本書をお薦めしたいです。

陰謀論”だと一蹴しないで、さまざまな意見の1つ、そして真実の一部に迫っているものとして捉えてはいかがでしょうか。

日本ではこういう”医療の闇”的な論文はほとんど発表されないので、海外の論文や資料の引用が多いです。

【新型コロナ「正しく恐れる」Ⅱ】の西村秀一さんも言っていますが、私たちが知りたいのは専門用語だらけでもいいから真実を全部出してくれなのか、専門家が素人でも分かるようにかみ砕いた文がいいのか。

医学だけじゃありませんが、特化する分野はやはり「専門家」に頼らざるを得ません。自分で1から調べるのは限界があります。特に外国の資料に当たるとなると、英語ぐらいはできないと……。

”専門家”選びが重要になりますね。内海先生は”自分は頭がおかしい”といいますが、少なくとも真実を見極めようとする意識、それを伝えようとする気力を持っていると思います。

だからベストセラーになっているんじゃないか?

コロナワクチンもそうですが、みんなやってるからとか安易な考えで大切な体に異物を入れる前に、医療とは何かを考えるいいきっかけになるんじゃないでしょうか。

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【「山奥ニート」やってます。】石井あらた

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本書の存在は以前から知っていて、中古で手に入れることができたので読んでみました。と言っても、そんな軽いノリではなく、けっこう深刻なんです。

私だって働きたくないと思っている、心の”ニート”なんです。

人間関係にずっと違和感を持っていて、働くことも実はイヤ。会社に行くことはもちろんシンドイ。森が好きなので、田舎暮らしに憧れています。

悶々としているいま【「山奥ニート」やってます。】は読むべきだと思いました。

あらたさんはあまり他人に興味のない人なんですが、その人が”NPOの代表”として「共生舎」を運営しているのは偶然とは思えません。しかも結婚もしている。

ご自身も言ってますが、ニートは出会いがない(ひきこもりなので)、恋愛もできない、なので結婚もありえない……。ていう訳ではないことを証明して見せたのです。

世に出る人の共通点があらたさんにもあって、導かれるようにそのポジションに今あるような気がしてなりません。

山奥で暮らすきっかけをくれた”ジョー君”と、初代NPO代表の山本さんとの出会い。

他人に興味がないと言っても”だれかと話したい!”の気持ちの強さはあったわけです。

でもどっぷりニート生活してた頃のあらたさんはこう考えていたそうです。「こんなクソみたいな世界、早く滅びないかな(略)自分を必要としない世界なんか、こっちから願い下げだ。自分で新しい世界を作ってやる。」

あらたさんの新しい世界、それが「山奥」だったんです。

ひきこもる範囲は自分の部屋から、この集落に広がりました。

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【悲しみの秘義】若松英輔

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若松さんは「100分de名著」で初めてお見かけしました。そこで取り上げていた本は”悲しみ”についての数冊でした。

東日本大震災について語られたとき、わずかに涙ぐまれたのを見ました。

近頃めっきり珍しくなったと思っていた、見ず知らずの人の悲しみに共感できる人だ、と分かりました。

それから若松さんに興味を持って何か読みたいと思い、まず本書にたどり着きました。

さまざまな本を題材にした新聞の連載エッセイをまとめたものなので、悲しみだけじゃなく読むこと書くこと仕事など、対象は思ったより広いんですが、さすがに心に響く文がたくさんあります。

意外だったのが若松さんの以前の仕事が企業の営業マンだったこと(今のお姿からは想像がつきません)。

それもかなりやり手だったということ。そのおかげで新しい会社の社長まで勤めたこと。

それなのに、人生の”転落”を味わったこと……。そして過去の苦い経験が今の若松さんをつくったこと。

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【AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争】庭田杏珠 渡邉英徳

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AIはどこまでできるのか?人の想像を超えて。

はじめはレトロな彩色絵はがきみたいなものを想像していました。カバーに採用されている写真を見たときもそう思っていました。その反面「AI」という文字に、漠然とした期待を持ったのも事実です。

タイトルに戦争とあるのでただのレトロではなく、忌まわしい”あの時代”がカラーでよみがえるのです。

著者のおふたりは「記憶の解凍プロジェクト」の活動をもとに、貴重なモノクロ写真をAIでカラー化し、メディアに配信して啓蒙活動をされています。

渡邉氏が言うように、白黒写真はどこか他人事、過去のことなんだと、どうしても距離を感じてしまします。

それがカラーになって一気にリアルに迫ってきます。

細かいことを言うと、リアルさはただ色が付いただけではなく、光と影の”出来具合”で大きく左右されることが分かりました。

写真技術やその時の機材の良さもありますが(アメリカ軍の撮影したものはさすがにリアルさが際立っています)、例えば真珠湾攻撃の際、グァムで避難する人を写したものは、南国特有の日差しが良く表現されています。

イメージで彩色はすべてAIが施したのだと思っていましたが、人の記憶と想いとのコラボレーションで実現されました。

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【人類の悲しみと対峙する ダークツーリズム入門ガイド】いろは出版

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今はコロナの影響で旅をすることもままなりませんが、せめて本の中だけでも、と思います。しかも人があまり行きたがらないところに。

でも最近注目を集めていると思われるのが「ダークツーリズム」。当ブログでも以前日本のダークツーリズムを扱った本を取り上げました。

【ダークツーリズム入門ガイド】は世界の有名なところからマイナーなところまで、「ダーク」な要因も自然災害や経済的な理由でゴーストタウンと化した街など、さまざまな場所が取り上げられています。

そして「ツーリズムガイド」らしく、モデルプランや交通費、ベストシーズン、その他の見どころやグルメなども載っています。

ブログでは特に、戦争関連と人間の愚かさで出現した場所を取り上げます。また、現代日本につながるダークサイドも。

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【大丈夫か、新型ワクチン】岡田正彦

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以前はコロナウイルスからどう身を守るかが知りたいと思い本を読んでいました。

今も変わりはないんですが、ワクチン接種が私のまわりでも進んでいて、もうちょっとそれについて知りたいと思っています。

当ブログでも内海先生や近藤先生の本を読んでいますが、ますますワクチンについて懐疑的になりました。

 でもこの問題は簡単じゃなくて、その人の経験や人生観、人間や世の中に対する信頼度も関わってくると思います。一概には言えません。

著者の岡田先生は膨大な海外論文を精査し、ご自身の研究や経験も踏まえて本書を執筆されています。

先生はいわゆる「反ワクチン主義者」ではありません。

そもそも医薬品は病気の人に使用するもの。副作用より効果が上回れば使うべきだといいます。ワクチンそのものは「きわめて有用な医療行為」。

でもそんな先生にして、新型ワクチンはきわめて問題が多いと指摘されています。

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