ブックメニュー★「本」日の献立

今日はどんな本をいただきましょうか?

【お坊さんにまなぶ こころが調う食の作法】星覚

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道元禅師が説いた食の作法について、もう少し知りたいと思い、【こころが調う食の作法】を読みました。

後半は、禅の精神が修行をする人、そして人間にどのような作用があるかが解説されているので、食だけじゃないんですが、その中でも食に関する事柄を抜き出してみたいと思います。やっぱり、奥が深い……。

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【天皇皇后両陛下が受けた特別講義 講書始のご進講】KADOKAWA

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皇族方に興味があり、向学心もある人にとって、本書【特別講義】は大変興味深いんじゃないかと思います。

講書始のご進講」は皇族方が臨まれる行事の一つであることは知っていたので、どんな事を学ばれるのかは興味がありました。

知ったきっかけは平成の両陛下が、ご進講以外でも例えば東日本大震災時に地震に詳しい研究者を御所に私的にお呼びになり、そのメカニズムについて学ばれた、ということをどこかで読んで、お忙しいのに非常に勉強熱心だと感心したことです。

本書の内容は言ってみれば”最高の知性の授業”ともいえます。各界の代表的な研究者が招待されて講義をするわけですから。

驚いたのが、その分野が多岐にわたっていることです。

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【理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!】西浦博 川端裕人

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現在、去年とは比べものにならないくらい感染者が増えています。

あきらかに緊張感が薄らいできて”慣れ”が生じています。

【新型コロナからいのちを守れ!】は今読むべき本だと感じます。とにかく大変だと、市民レベルでも感じられていた頃の話です。

この時、国民にはほとんど知られていない科学者などの専門家が、必死の対策を講じてコロナの流行を抑えようとしていたことが、川端氏のインタビューで西浦氏が語っています。本書は両人の共著の形を取っており、川端氏がコラムなどを添えて、構成を担当されています。

本書を読んでわかったのは、少なくともその時、少数の専門家の善意とか熱意で問題を乗り切っていたということ。

本当にそれでいいんでしょうか?

対策するのはもちろん、私たち国民の協力がなくてはありえません。それがないから、今のような感染者の増大につながっているんでしょう。もちろん、そんなに単純ではないでしょうが。

さまざまなことが語られていますが、一番問題だと思ったのはコミュニケーション。

関わる人が多いのでその種類も多岐にわたりますが、ここでは科学コミュニケーション、リスクコミュニケーションについて読み解いていきたいと思います。

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【食禅(じきぜん)】柿沼忍昭

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前々から、今の食は乱れている!と感じていました。

まず市販品は味が濃い―ものが多いし、飲食店もお客さんに気に入ってもらうためか、その傾向がある感じがするんです。

でもまず素材を味わうことが一番!でないと調味料を食べてるみたいじゃないですか。

私の家族はまさに濃いものが好きで、私は薄味。けんかになります😟

「和食」は世界的なブームですが、本当の和食とはどんなものか?日本人の私たちが案外考えていないような気がして、本書を読んでみました。

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【懐かしのテレビ黄金時代】瀬戸川 宗太

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現代はさまざまなメディアがありますから、テレビを1日中見ている人は案外少ないかもしれませんね。部分的に見てる感じ。あるいは”ながら見”。

私も読書を本格的な趣味にしてから、めっきり見る時間が減りました。

でもそれだけじゃないんです。”おもしろい番組が減った”ことも原因です。その辺は【懐かしのテレビ黄金時代】の著者瀬戸川さんも指摘しています。なぜ現代のテレビは衰退したのか?

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【戦争廃墟】石本 馨

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本書は写真家である著者が、日本の戦争遺跡を巡って撮影した写真集です。

一部は整備され見学できるところもありますが、書名にもあるように遺跡というより忘れられ、打ち捨てられた廃墟です。

石本さんは以前はまったくこういうものに興味はなかったようですが、戦争遺跡に接する機会があり、だんだん意識が変わったそうです。これらには例えば映画とは違う「リアル」な感覚がある。

自分の立っている世界に確かに戦争があったと言う実感(略)戦争にリアリティーを感じられない自分が突然、戦場に放り出されたような奇妙な感覚

「突然」状況が変化することは、実際兵士だった人々も常に体験しているのは、後にご紹介する元特攻隊員だった人のインタビューで分かります。

この「突然」が「リアル」さを感じる1つの要因かもしれません。平和な日常には「突然」はあまりありませんから。

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【ダークツーリズム】井出 明

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みなさんはダークツーリズムについてどんなイメージを持っていますか?

徐々にではありますが、耳にする機会が増えた言葉ですね。

本書【ダークツーリズム】は入門書として最適だと感じます。その始まりから日本における状況、そして具体的な場所を著者がめぐって紹介してくれます。

ここではさまざまな”悲しみ”を扱いますが、ブログでは第二次大戦を主にその他の出来事についても取り上げます。

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